コーヒーノキ(コーヒーの木)
普段僕たちが飲んでいるレギュラーコーヒーってもちろん飲むときは液体ですよね。この液体としてのコーヒーができるまでにどのようなプロセスをたどっていくか、逆算してみましょう。
今回はコーヒーの基本の基である樹のおはなしです。
そもそもコーヒーって
まず、「コーヒー液」は水を「コーヒー粉」に通して抽出されます。水といってもまず2種類あります。そうです、温めたお湯と常温の水です。抽出方法はさまざまありますが、すべて水を使います。そして常温の水から抽出するタイプとお湯から抽出するタイプの2つに必ず分類されます。
どちらにせよ、コーヒー豆を粉砕したコーヒー粉を使うことは共通です。つまり、コーヒー液は「コーヒー豆」と「水」でできています。複雑な味わいをもつコーヒーですが、原材料はシンプル、たったの2つなんです。
コーヒー豆を作るコーヒーノキ
このコーヒー豆は今回のテーマである「コーヒーノキ」という名の常緑樹の種子です。種子であるということは果実ももちろんあります。
「コーヒーノキ」は正確にいうと「被子植物門真正双子葉植物網キク亜網リンドウ目アカネ科コーヒーノキ属」に属しています(学名:Coffea arabica)。南極や一部の地域を除いた世界中のいたるところに繁殖しているそうです。このアカネ科は、なんと植物全体の約4%を占めるというのですから超巨大グループです。
「コーヒーノキ」は草やつる状のタイプと、樹木タイプに分かれますが、飲料として用いられるコーヒー豆をもつのは低木のタイプが多いです。
「コーヒーノキの成長過程」
葉は波状の縁取りで、左右対称に付きます。ジャスミンに似た香りの白い花が咲きます。花は乾季にできると4~6mmまで生長しますが、いったん休眠にはいります。そして雨季になり一斉に雨を浴びると、休眠から目覚めて満開の花を咲かせます。開花している期間は最短で約1日、長くても6日程度と非常に短いのが特徴的。
その後、結実してから実が熟するまでには半年から9か月ほどの時間を要するため、長期間に亘って赤い果実の観賞を楽しむことができます。
ちなみに、雨季と乾季が年1回の地域は収穫が当然1回となりますが、年2回の地域は収穫も2回。あいまいな地域は年間を通して収穫できることもあります。起源は現在のカメルーン周辺で生まれたとされていて、そこからアフリカの熱帯地域を主戦場に進化を遂げたといわれています。
それが今から約420万年前のことだというので、地球上の歴史からみると比較的新しい部類の植物といえそうです。約420万年前はアウストラロピテクスがいた時代とされることから、コーヒーの種とホモサピエンスは同い年みたいなものだと、乱暴に言ってしまいましょう。
コーヒーノキ属から品種のおはなし
コーヒーの種は現在では約130種確認されています。違う品種どうしを掛け合わせると、割と簡単に新しい品種が生まれやすいといわれています。
しかし、我々が飲むコーヒーとして栽培されているのはたったの3種。しかも、そのうちのほとんどを「アラビカ種」と「ロブスタ種」という2種が占めています。残りの1種は「リベリカ種」といい、生産量は商業規模でいうとごくわずかです。
コーヒーノキの果実
さて、このコーヒーノキの果実ですが、花が受粉したのち2~3か月後に子房が徐々に膨らんできます。はじめは緑色、それから黄色になり最後は真っ赤な完熟果実へと変化していきます。このあたりの色づきは、紅葉と同じような原理です(余談ですが、完熟しても黄色い実のものもあります。代表的なものにイエローブルボンがあります)。このコーヒーの果実をコーヒーチェリーといいます。赤もしくは黄色のチェリーは、もちろん食べることもできますが、果肉のサイズが非常に小さいのに、種が大きいので食用としてほとんど用いられません。この果肉部分を脱穀してコーヒー豆=種子を剥きだしていきます。
観賞用としてのコーヒーノキ
コーヒーノキは、その外観の美しさのために観葉植物として室内で栽培されることがあります。商用栽培の場合と同様に3年から5年で開花および結実が可能です。観葉植物を扱っている店では比較的広く販売されているため入手も容易であり、観葉植物としては栽培も易しい部類だとされています。アラビカ種が観葉植物としてもっとも流通しています。
「コーヒーノキの育て方」
通常、鉢植えにして栽培することがベターとされます。夏場は日光によって葉が褐色に日焼けする場合があるため、直射日光を遮って育てるのがポイントです。冬場は、日本の屋外気温では越冬できないため室内で育てましょう(耐寒性5度程度まで。10度以上が望ましいとされる)。また、冬場に大量の水を与えすぎると根腐れの原因になるので、表面の土が乾いてから少量を与えるのが原則。根が張りやすく根詰まりを起こしやすいため、毎年5月から7月に、大きめの鉢に植え替えるか、余分な根を切り除いてから植え替えることが望ましいです。
ちなみに、「市販のコーヒーの生豆を土にまいたら芽が出るのか?」問題がありますが、どうやら答えはNO。本当にごくまれに芽が出ることもありますが、諦めましょう。今やネットなどでも簡単に苗木が手に入りますのでそちらをお勧めします。気になる方はお店で観賞用に育てているので見に来てくださいね。
さて、たくさんコーヒーノキについておはなししてきましたがいかがだったでしょうか。遠い世界にあるコーヒーノキが少しでも身近に感じられたなら嬉しいです。
BON COFFEE’s Master
静岡大学卒業後、2009年に地元福井駅前にて「BONCOFFEE」を、2015年に豆販売に主軸をおいた2号店「BONCOFFEE -BEANS STORE-」を開業。2020年、福井駅前再開発事業にともないビーンズ店を板垣に移転し現在に至る。モットーは「1杯のコーヒーのチカラで世界を少しまったりさせる」。作り続けたいコーヒーは、子供からお年寄りまで誰もが気軽に楽しめるコーヒー。コーヒーが飲めなかった人がBONCOFFEEのコーヒーなら飲めた、ブラックで飲めなかった人が飲めるようになったとの声多数。
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