コーヒー、始まり以前

珈琲豆
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今回はコーヒーがまだ今のようなコーヒーとして存在していなかった時代のお話です。空白の2000年と300年が登場したり、憶測しかなかったり、妄想をたくさん膨らませながら読んでみてくださいね。 

 

原始のコーヒーの文化

コーヒーノキ属の植物学的分布の変遷をたどるとき、現在のエチオピア西南部周辺がスタート地点であることが、広く知られています。そのことから、エチオピア西南部周辺の人たちがコーヒーノキを生活に採り入れていたであろうことは想像に難くありません。特に、アラビカ種は野生の場合10mほどにもなるようなので、樹木は伐採、加工していたはずです。

 

コーヒーの葉にもカフェインが若干ふくまれることから、お茶のように飲んだり、すりつぶしたり、患部に当てたりして薬用に用いられていたと考えられています。

 

コーヒーの果実は、現在でも炒めて食べる習慣があるようです。また、求婚する男性から女性の両親への献上品としてコーヒーが使われることがあるようで、飲む以前からコーヒーノキは重要な生活資材であったと考えられます。

 

コーヒー史空白の2000年

現在わかっている、コーヒーについて書かれた最古の文献は、10世紀ペルシアの「医学集成」(925年)です。しかし、エチオピアの歴史をさかのぼると、少なくともソロモン王とシバの女王のあたり以前に、古代文明が繁栄していたと考えられることから(紀元前10世紀前後)、短く見積もっても2000年間はコーヒーと人との関りは謎に包まれています。この辺りはまだまだ謎が多く、古代アラビア半島周辺のロマンあふれるミステリーとなっています。

 

記されたはじまりのコーヒー

先ほどの「医学集成」には、「ブン・ブンカ」という名の薬が載っています。「ブン」という言葉は、アラビア語でコーヒー豆を意味し、そのことから、925年当時は薬としてコーヒーは利用されていたと考えられています。

 

その後、1020年に記された同じくペルシアの医学書「医学典範」にも、「ブンクム・ブンコ」という薬の名が記されていて、こちらは、イエメン産の植物から作られるという記載も確認されています。これは、コーヒー豆の薬としての広範な利用が行われていたという証拠とされています。

 

アフリカからペルシアへ

エチオピアからイエメン、そしてペルシアへ。悠久の時を経て、コーヒー豆は薬用として伝播していきました。このペルシアへの伝播の経緯の因果には、奴隷貿易という悲しい現実がありました。

 

9~10世紀は、アフリカ大陸中央部に向かってイスラム商人たちが進出しており、現地の人々を捕らえて奴隷として売買していました。捕らえられた人々は、当時首都城郭を建設中だったイエメンに売られたそうです。利便性の高さから、エチオピアの人々の生活の必需品となっていたであろうコーヒーノキを、イスラム商人たちアラビア半島周辺の人たちが、だまって見過ごすとはたしかに考えにくいですね。

 

10世紀前後にコーヒー豆がペルシアに伝わっていたとされる、もう一つの証拠が発見されています。1996年、ドバイ北東に位置するクシュという遺跡で発見された出土品の中に、炭化したコーヒー豆が2粒あったそうです。放射性炭素年代測定の結果、1100年頃に炭化したものだとされたようです。

 

日本で以前、世間を大騒ぎした自作自演のゴッドハンドなどではなく、正真正銘のその時代の炭化したコーヒー豆です。「炭化した」ということから、焙煎していた可能性もあるのでしょうか。一応今考えられているのは、生豆を煮だして薬用として飲んでいたということですが、焙煎して現在に近い状態で飲まれていたとすると、どのような味だったのか、現在のどの品種に近い豆だったのか、など興味が尽きません。このコーヒー豆の足跡ですが、その後15世紀イエメンまで待たないと再び現れてくることは今のところありません。さらに空白の300年。ロマンあふれる響きですね。

 

現在へ繋がるコーヒーのはじまり

ちなみに、再び現れた15世紀というのは、「ジャマールッディーン・ア・ザブハーニー」というイエメンの(スーフィーとよばれるイスラム教の修行者のなかの)最高僧が、人々を覚醒させ元気にさせるため、使用することを勧めたとされる時代です。今でいう栄養ドリンク的な立ち位置だったのではないでしょうか。

 

このイエメンにおけるコーヒーの利用はやがてイエメン中に広がり、スーフィーたちが徹夜でコーランの一節を唱え続ける勤行に欠かせない飲み物となりました。この徹夜の勤行に用いられたコーヒーは、イスラムの秘儀として長い間、門外不出とされます。飲み方は「キシル」と「ブン」という2タイプに分かれていて、特に「ブン」の方が現在のコーヒーの飲み方の直接的な起源だとみなされています。

 

キシルとブン

キシルはコーヒーの果実をそのまま使った飲み物。現在でもイエメンなどで飲まれているようです。現在の飲み方は、乾燥した果実を炒めてから、ショウガやシナモンといったスパイスをいれて煮出して飲みます。中世のアラビアの人たちがどのようなスパイスを入れていたかはわかりません。

 

ブンはというと、果肉を除去し種子の部分を使います。現在のコーヒーの飲み方へと繋がる飲み方です。

いったいいつ頃から焙煎を始めたのかという正確な記録は残っていませんが、筆者の希望的な見解からいうと、かなり早い時期から焙煎した豆を砕いて煮出していたのではないかと思っています。

 

まとめ

記録や出土といった決定的な証拠のない、焙煎の歴史。ロマンあふれる事柄です。

筆者は先述したように、かなり早い段階、つまり紀元前には既に果肉と種子を分けて利用していたのではないかと思っています。根拠はないです(笑)。

コーヒーの歴史の謎に想いを馳せながらいつものコーヒーを飲むのもなかなかいいものですよ。 

BON COFFEE’s Master

BON COFFEE’s Master

静岡大学卒業後、2009年に地元福井駅前にて「BONCOFFEE」を、2015年に豆販売に主軸をおいた2号店「BONCOFFEE -BEANS STORE-」を開業。2020年、福井駅前再開発事業にともないビーンズ店を板垣に移転し現在に至る。モットーは「1杯のコーヒーのチカラで世界を少しまったりさせる」。作り続けたいコーヒーは、子供からお年寄りまで誰もが気軽に楽しめるコーヒー。コーヒーが飲めなかった人がBONCOFFEEのコーヒーなら飲めた、ブラックで飲めなかった人が飲めるようになったとの声多数。

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