インスタントコーヒーの歴史

インスタントコーヒー
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インスタントコーヒーと、コーヒー粉にお湯を通して作るドリップコーヒーでは、根本的なコーヒーの味のベクトルが違いますが、昭和から平成にかけて、家庭や職場でのコーヒーシーンを形成し、リードしてきたことは間違いなく、そこにリスペクトを込めて、今回はインスタントコーヒーにフォーカスしてみたいと思います。

 

インスタントコーヒーの発明

インスタントコーヒーの真の発明者は諸説あるようで、未だにはっきりとしていません。しかし、はじめて本格的に実用化したのは、1906年、アメリカで特許を取得した記録の残っている、ガテマラ在住のベルギー人、ジョージ・ワシントンで間違いないようです。記録によると、第1次世界大戦でも戦地で愛飲されたようです。味は想像以上にイマイチだったようですが…。

 

実用化の歴史

1929年、ブラジルのコーヒーバブルが崩壊する非常事態が起きたとき、そこにさらに、世界恐慌が相まってコーヒー価格の大暴落が起きました。世界恐慌の緊急事態にブラジル政府のとった行動が、現在も用いられるインスタントコーヒーの礎となっています。

 

当時すでに、ヨーロッパ最大級の食品・飲料メーカーとなっていたスイスのネスレ社に、ブラジル政府は余剰のコーヒー豆を用いた加工食品の開発を依頼をします。ネスレ社といえば、創業者のアンリ・ネスレが母乳の代わりとなるベビーフードの開発で世界中の支持を集めたことで有名です。今なお、世界最大の食品・飲料メーカーとして君臨し続けている企業です。

 

スプレードライ方式

開発に8年の歳月をかけて、完成させた方法が「スプレードライ方式」というものです。これは、コーヒーの抽出液を文字通りスプレー状に噴霧しながら同時に加熱乾燥させることで、パラパラの固体を作り出すという方式です。

 

ネスレが世界的に製造、販売するこのコーヒー製品を、ネスカフェ(Nescafé)とし、商標登録しました。これはNestléとCaféを合わせた造語です。

一般的に気流乾燥装置と呼ばれる高温の乾燥筒の中に、高温のコーヒー液を噴霧して素早く乾燥させると、製品は微粉状となります。冷たい水にも溶けやすいという利点があり量産性が高いが、製造時の熱によって酸味が揮発し苦味が強調され、香味も揮発することにより、風味、香味ともに通常のレギュラーコーヒーと比べると劣ります。

 

「香味の欠損については、製造工程の改善もあり熱風中に数秒間ブロー乾燥させたのちに、すぐに冷却される程度のものであり極端なものではない」という見解も見受けられますが、自家焙煎コーヒー屋としては、同調するのは苦しいところといえます。

 

フリーズドライ方式

スプレードライ方式の味向上を目指して、「フリーズドライ方式」が誕生します。「フリーズドライ方式」は、コーヒー液をマイナス40℃以下で一度凍結させた後に細かく砕き、真空状態にして水分を蒸発させる方法です。製品は2〜3mm程度の大きさで角が尖った粗い粒状となります。

 

スプレードライ法に比して香味は損なわれにくいが、製造に手間がかかるためやや量産性に劣るそうです。そのため、スプレードライ法の製品より価格は高めになります。

 

日本が生んだ缶コーヒー

缶コーヒーもインスタントコーヒーと同じように、いつでもどこでも気軽に飲めるところが人気の秘訣ですし、それに加えて、カバンに入れて持ち運べるし、封を切ればその場ですぐ飲めるというのが最大の魅力です。缶コーヒーの便利さから、現場系や外回りの労働者に大変重宝され、昭和、平成にかけてこの国を陰ながら支えてきたと言ってしまっても言い過ぎではないといえるでしょう。

 

缶コーヒーについても発明者については諸説あるようではっきりとしていませんが、世界で初めて実用化したのが日本人の「三浦義武」であることは間違いないようです。こちらの人物については、また別の記事で詳しくつづりたいと思います。

 

缶コーヒーと自販機

缶コーヒーといえばコンビニと自販機です。特に自販機は、日本の治安の良さを背景にして、コンビニ以前の飲料メーカーの発展を支えてきました。山でも海でも、どこででも、自販機があれば「あったかい」、「つめたい」飲み物を調達できます。この便利さと、カフェインの相性は抜群で、僕が子供の頃の男の大人は、すべからく缶コーヒーを飲んでいた記憶があります。

 

現在はコンビニコーヒーにかなりの圧力をかけられていますが、外国人観光客にも大変人気な自販機と缶コーヒーですので、陰ながら応援したいと思います。

 

まとめ

日本のコーヒー文化を考えるうえで無視できない、インスタントコーヒーと、缶コーヒーについて書いてみましたがいかようだったでしょうか。インスタントコーヒーの美味しい作り方という裏技を、筆者はもっているのですが、それはまたおいおい機会がありましたらどこかでお披露目したいと思います。

もし、この記事を読んで「どうしても!」という方はご一報ください(笑)。

 

珈琲のおいしい入れ方

BON COFFEE’s Master

BON COFFEE’s Master

静岡大学卒業後、2009年に地元福井駅前にて「BONCOFFEE」を、2015年に豆販売に主軸をおいた2号店「BONCOFFEE -BEANS STORE-」を開業。2020年、福井駅前再開発事業にともないビーンズ店を板垣に移転し現在に至る。モットーは「1杯のコーヒーのチカラで世界を少しまったりさせる」。作り続けたいコーヒーは、子供からお年寄りまで誰もが気軽に楽しめるコーヒー。コーヒーが飲めなかった人がBONCOFFEEのコーヒーなら飲めた、ブラックで飲めなかった人が飲めるようになったとの声多数。

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コメントが1件あります。

  1. 匿名希望 より:

    発明者に関しては、所説あるそうですが、以下の記載はご存知でしょうか。

    1889年にニュージーランド、インバーカーギルのコーヒー・香辛料販売業者デイビッド・ストラングが「ソリュブル・コーヒー・パウダー」(可溶性コーヒー粉末)の作成法の特許を取得し、「ストラング・コーヒー」として製品化したのが、記録上確認できるはじめとされる。

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